囲繞地(いにょうち)とは

囲繞地(いにょうち)とは

 

囲繞地(いにょうち)を理解するためには、まず袋地について理解する必要があります。袋地というのは、周囲を囲まれていて公道に接していない土地のことを言います。そして、囲繞地というのは、その袋地を囲んでいる部分の土地を指します。

 

囲繞地や袋地が生じてしまう例としては、例えばもともと一人の所有者の土地だった所を、兄弟や親族などで分割を繰り返している内に、世代が変わったり他人に譲渡する人が現れたりした結果生じるというようなケースがあります。

 

囲繞地(いにょうち)とは
図1:囲繞地(いにょうち)の例

 

囲繞地通行権について

 

袋地から道路に出るためには、他の人が所有する土地を通行しなければならないため、こういった土地の所有者には法令上一定の通行権が認められています。

 

通行権が認められているのは、袋地を活用出来なくなり、ひいては社会的損失になることを防ぐためです。この通行権は、有償の場合と無償の場合があり、民法などに詳細な規定が置かれています。具体的な金額などについては、購入前に不動産会社などに訊いて確認しておくと良いでしょう。

 

また、どこをどのように通行しても良いという権利ではなく、通行される土地の所有者にとって負担の軽い方法を採ることなどの制限が課されています。

 

囲繞地(いにょうち)とは
図2:通行権の例

 

囲繞地を売却する際の注意点

 

囲繞地や袋地は、そうでない土地に比べて、土地の評価額が下がりますので、売買の際にはその点も頭に入れておくと良いでしょう。

 

また、実際問題として、例えばリフォームや引越などで車や人が頻繁に出入りする場合には、公道に面している土地の場合よりも気を遣うといったこともあります。もともと親族などで一帯に住んでいた場合などで、その一員であれば良いのですが、後から購入する場合には注意が必要です。

 

ちなみに、住宅地図などを参照すれば、一族で古くから住んでいる人が多い地域かどうかなどは苗字などから概ね推測出来ますし、地元の不動産会社などでしたら事情に詳しいことも多いでしょう。

 

また、囲繞地や袋地を居住用に購入する場合には、通常の一戸建て住宅以上に、ご近所付き合いの必要性が高くなります。事前に周辺環境や付近の住民の様子などを観察しておいて、あまり負担無く溶け込めそうなエリアかどうかを判断要素の一つにするのもお勧めです。