レントロール(家賃明細表)とは

『レントロール(家賃明細表)』とは何か

 

レントロール(家賃明細表)とは、不動産を貸借する時の条件の一覧表のことです。

 

その不動産の、投資物件としての価値を評価したり、あるいはレポートにまとめる場合に、参考資料として利用されます。特に、不動産関連で投資を行っている人にとっては、家賃収入を把握する上で、重要な物と位置付けられています。レントロールに記載されているものは、主に金銭関連や契約期間、入居者の内訳などですが、実はかっちりと明記が必須とされているものではありません。

 

レントロールは例えば下記のような書式になります。(※若干簡略化しています。)
レントロール(家賃明細表)とは

 

ただし近頃は、その数値や情報に誤りが多いことが問題視されていて、うかつに、売り主や不動産会社からもらったレントロールに書かれている情報を、そのまま信用することが難しくなっているのです。そのため、レントロールを受け取ったら、まずはそこに書かれた情報と数値が正しいのかどうかを確認する必要があるのです。

 

投資物件のレントロールを見る時のポイント

 

賃料の金額

不動産投資を行う場合、まずチェックしなければいけないのは、賃料です。購入検討時に受け取ったレントロールに記載されている賃料の数字は、正確ではないことがあります。新築の不動産だった場合は、プレミアを見込んで高めに設定しているでしょうし、逆に不人気な不動産だと、低く賃料を設定している筈だからです。

 

不動産屋というものは、ひとつの地域に何軒か存在していますので、各不動産屋から情報を精査し、相場の平均的な賃料の数値を導き出す必要があります。これを導き出す方法は、レントロールに記載された一覧からも、ある程度可能です。

 

レントロールの賃料一覧からは、色々な事情を読み取ることも可能です。例えば、同じタイプの部屋なのに賃料にバラつきがあり、各部屋の契約期間を見ると、入居期間が長い契約者ほど、賃貸が高めになっている――。この場合、昔は高めでも契約できたが、今は低くしないと契約できていない事が分かります。そうすると、この不動産の価値が、ここ最近で著しく下がっていると推察することができるわけです。

 

賃料の内訳

また、賃料自体の詳細把握も必要です。賃料にどこまで含んでいるのか、ということです。水道料金や電気料金、中にはケーブルテレビの料金まで賃料に含んで表示している場合もあります。しっかりと精査して、真の賃料を掴まなくてはいけません。

 

敷金

次にチェックするのは、敷金です。入居者が少ないと、当然、敷金も少ないです。その不動産の人気度が、比較的容易に把握できるでしょう。また、敷金の決済も大阪方式(取引時に清算しない)と東京方式(取引時に清算する)が存在しますので、やはり事前に把握が必要です。

 

入居者の属性

最後は、入居者の内訳入居期間です。単純に考えれば、入居者が多い不動産が良い不動産です。特に、女性や法人関係者の入居が、治安上好まれます。

 

ただし、例えばその入居者たちが全員、特定の一社の社員だった場合、その不動産は社員寮として一括借り上げされている可能性があります。そうなると、年度末に一斉に退去されて、一気に家賃収入がゼロになるという事態が発生するリスクがあります。

 

また、取引直前に不自然な新規入居が相次いで賃料が上っている場合、それは不動産を高く売ろうとする偽装工作の可能性があります。従って、入居期間は、ばらけている方が、信頼性が高く、その不動産の健全性を推し量ることが出来るのです。

 

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