空き家対策特別措置法をざっくり解説します!

空き家対策特別措置法はざっくり書くとこういう法律です

 

状態の悪い空き家を放置していると、役所から、修繕や撤去の指導が来ることがありますよ!ということです。

 

現在、日本全国の全ての家に対して、空き家の割合は1割を超えていますので、国も本腰を入れて対策に乗り出した、ということですね。

 

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どういう空き家が問題視される?

 

法律では、問題視する空き家を「特定空家等」というふうに名づけています。この「特定空家等」に当てはまる場合、役所が指導に入ってくる、というわけです。では「特定空家等」とは、どういう空き家でしょうか?法律の文面をそのまま書くと、次のようになっています!

 

  • 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  • 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  • 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
  • その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

 

要するに、国(役所)が「この空き家が周辺の住民に迷惑をかけている、あるいは危険な状態になっている」と判断したら指導されるというニュアンスで受け取っておけばよいかと思います!

 

具体的には空き家を持っているとどうなる?

 

法律の文章をそのまま書くと、

 

除却、修繕、立木竹の伐採等の措置の助言又は指導、勧告、命令が可能。さらに、要件が明確化された行政代執行の方法により強制執行が可能。

 

となっています。

 

つまり、まずは役所から「修繕してください!」「撤去してください!」「生えっぱなしの草木をなんとかしてください!」という指導の連絡がくることになります。それでも連絡を無視していると、役所は強制的に撤去にくるかもしれない、ということですね!

 

もちろん、役所から指導の連絡が来たら、無視することのないようにしましょう!

 

空き屋にしているとバレるものなの?

 

ところで、素朴な疑問として、「空き家にしているのが役所にバレるの?」というふうに思われる方もいるかもしれません。確かに、単なる長期出張で、家を空けているだけという場合もありますし、なかなか見分けがつきにくいのは事実です。

 

今のところ、「建物の状況」「人の出入り」「電気ガス水道の使用量」などから状況的に判断するしかないようです。ただし、「空き家対策特別措置法」の中では、空き家に関するデータベースの整備についても触れていますので、役所は急ピッチで「現状把握」に手を打ち始めると思います。

 

国はどうして、こういう法律を作ったの?

 

法律の文面によると、空き家が放置されることによって、地域の安全性や生活環境をおびやかしていることが問題意識として書かれています。実はさらに、この背景には税制度の問題があります。

 

現状の税制度には「住宅用地の課税標準の特例」という制度があります。

 

住宅用地の課税標準の特例とは

土地や家屋などを所有していると固定資産税がかかります。この固定資産税・都市計画税の税率が、「住宅用地」だと、減税されるというのがこの制度です。固定資産税では1/6、都市計画税では1/3まで下がることがあります。

 

この制度によって、どういうことが起きるでしょうか。それは、仮に住まなくなった家を所有している場合、空き家を撤去せずに残しておいたほうが、更地にするよりも税金が安いということになるのです。

 

もともとこの制度は、日本の経済成長期に、土地を遊ばせている位ならどんどん家を建てるように、住宅の数を増やすための支援策のひとつとして作られたと言われています。そう考えると、今の日本の現状にはあまり合致しているとは言えません!

 

ちなみに、今後の話ですが、先ほどの「特定空家等」に当てはまる場合、この減税措置が利用できなくなる、という国の方針もあるようです。