二世帯住宅リフォームの概要・流れ・料金

二世帯住宅リフォーム

 

これから親と同居するための二世帯住宅リフォームを考えている場合には、リフォームプランを作成する前に、二世帯住宅のメリットやデメリット、リフォームにかかる工事期間や費用などの概要を事前にきちんと知っておくことが大切です。

 

いくつかのおさえておくべき点をしっかりと確認してから二世帯住宅リフォームを行いましょう。異なる世帯が一つの屋根の下で長く暮らすことになりますので、お互いの世帯における認識や思惑の違いがある状態のままで工事が進んでいきますと、思わぬところでトラブルが発生する可能性もあります。

 

逆に言えば、それらの課題がきちんとクリアされた上で二世帯住宅リフォームが行われた場合には、きわめて快適に二世帯住宅での生活を実現することとなります。決して難しいことではありませんので、両世帯の全員があつまってしっかりと二世帯住宅リフォームについての意見を出し合い、考えをまとめていくことをおすすめいたします。

 

二世帯住宅リフォームに関する概要

 

一般的な単世帯の一軒家を二世帯住宅リフォームによって作り変えるというわけですので、基本的な構造の部分に手を加えることになるケースが多くなります。一緒に暮らす人数の多さによって必要な延床面積は異なってきますが、快適な生活を実現するためには、一人あたりの坪数は10坪程度は確保したいものです。

 

現時点での延床面積が30坪の3人家族であれば、親が一人の場合には40坪、二人の場合には50坪程度の延床面積が必要ということになります。もちろん余裕があって快適な生活にするための目安ですが、狭すぎる場合には快適性が損なわれます。敷地や家の形状に余裕があれば増築を視野にいれることが望ましいでしょう。

 

また二世帯住宅リフォームで重要なのは、完全分離とするか、一部共用とするか、それとも完全同居とするかという点も決めておかなければなりません。お互いの適度な距離感が保てるということでリビングやダイニング、水回りを分離するものも玄関やファーストリビングなどを共用する一部共用方式が人気ですが、生活コストに関しては完全共用のプランが電気料金や水道料金などの点で有利ですし、プライバシーを重視し互いの生活に過度な干渉を避けたいのであれば完全分離のタイプがおすすめです。この暮らし方のイメージも最初に決めておく必要があります。

 

その後は二世帯住宅リフォームの業者との打ち合わせとなります。リフォームする場所や増築する部分、入れ替える住宅設備などだけでなく、細かい部分まで綿密に打ち合わせすることが良いでしょう。外壁や屋根のリフォームもこの流れの中で検討するのもおすすめです。

 

プランニングが決まりましたらいよいよ着工です。二世帯住宅リフォームの内容によっては一時的に引っ越しが必要になる場合もあります。負担を減らすのであれば住みながらリフォームを行う方法もありますので業者と打ち合わせておきましょう。

 

二世帯住宅リフォームに関する費用

 

二世帯住宅リフォームにかかる費用は、通常のリフォームよりも高くなる傾向にありますが、完全同居の場合においては極端に言えばリフォームを一切せずに住む場合もありますので、一概にどの程度の費用が必要となるのかは業者とのプランニングの段階で詳細を確認しておきましょう。

 

もちろん住宅の新築に比べると、リフォームの費用はリーズナブルであるともいえます。そのために費用対効果の高さを重視するという観点も大切です。

 

最も典型的な例として、一部二階建ての一軒家をリフォームして、総二階建てとして新たにLDKに水回りを設置する二世帯住宅リフォームを例として考えてみます。増築部分の面積が10坪(20畳)分としておよそ500万円、キッチンやトイレ、水回りなどの新設でおよそ200万円、外壁塗装や屋根塗装、および住宅全体のクロス張替えなどのリフレッシュ工事に300万円と計算すると、おおよそで1,000万円程度が必要となると考えられます。つまり二世帯住宅リフォームに関しては1,000万円を一つの目安として考えておくと良いでしょう。

 

両世帯の居住スペースをリフォームしたり、増築範囲を増やしたり、住宅設備のグレードを高めたりすると当然ながら総費用は上昇していきます。逆に水回りを共用にすることで設置を見送ったり、増築をせずに室内改装程度に留めたりすることで、費用を節約することもできます。

 

使い勝手と生活スタイルと費用の各方面から検討していきましょう。不要なものを削ぎ落とすことは良いのですが、使い勝手を犠牲にしたり、何かを我慢するといったことで費用節減すると、後々の不満につながりやすいものです。必ず納得してから工事に進みましょう。

 

工事期間の目安

 

リフォームが大規模になるほど工事期間は長くなります。場合によっては居住しながらのリフォームが難しいほどの大工事が必要となる場合もあるでしょう。一時的に家財道具を別の場所に移し、引越しをして行うほどの大規模な二世帯住宅リフォームになると、その間の仮の住まいの確保や引越し料金なども加算されますので考慮しておくことが重要です。

 

居住しながら行うことのできる二世帯住宅リフォーム工事であっても、水回りの総入れ替えや一部増築などであれば、工事期間は数日で終わるということはありません。進捗状況は天候にも左右されるケースも多いので、できる限り余裕を見ておくことが大切です。

 

一部増築、水回り新設、外壁屋根の塗装など、一通りのリフォームを行うとすれば、最低でも2週間から3週間は工事期間として見積もっておくと良いでしょう。もちろんその間については、実際の生活に不便も生じます。工事期間中は何ができて何ができないかを確認しておくべきでしょう。また近隣の住宅にも騒音や業者の出入りなどで迷惑をかけてしまうことが予想されますので、工事の前にお断りを入れた上、ご理解を頂いておくことがトラブルを避ける秘訣です。

 

工事の際には、作業を行っている業者の人や大工さんなどとのコミュニケーションも密にとっておくことがおすすめです。作業状況を教えてもらったり、細かい点について要望を出したりと、依頼主にとってもメリットとなることが多いものです。作業を止めて一度休憩してもらい、お茶やお菓子などを出すということも大変喜ばれますし、作業自体の仕上がりも素早く丁寧にしてもらえる可能性が高くなります。このような関係づくりも必要なのです。

 

まとめ

 

二世帯住宅リフォームに関しては、一般的なリフォームとは異なる注意点も多く、難しいと感じる人もいるかもしれません。しかし、多くのご家庭が二世帯住宅リフォームに成功してとても快適な生活を実現しているのです。親世帯と子世帯との関係をより豊かでしっかりとしたものとしてくれるのが二世帯住宅に住まう人の特権です。理想的な二世帯住宅にするためには、綿密な打ち合わせとしっかりした計画を立てるという、基本的な作業の積み上げが必要であることは間違いありません。

 

もちろん業者選びも重要です。二世帯住宅リフォームを得意としている業者は、独自のノウハウがあったり、これまでの経験で得られたより良いプランニングのアイディアをもっているものです。依頼者側の要望もできるだけ叶えてくれようとする、前向きに検討ができる業者を選びたいものです。

 

二世帯住宅の良さは、住んでから初めて分かるという人も多いものです。そのためには住み心地の良い家にすることが何よりも大切です。多くの情報を活用し、しっかりと下調べを行って、大家族ならではの暖かさにあふれる住宅を目指しましょう。苦労して作り上げた二世帯住宅は、おそらく世界で一番居心地の良い場所となるはずです。