バリアフリーとは

バリアフリーという用語の意味

 

バリアフリーとは、「障壁」を「除去する」という意味の建築用語です。

 

これが転じて現在では、『様々な生活区域内の障壁を除去して住みやすく作られた環境』という風な意味合いに変化して、一般用語として浸透して来ています。不動産関連に絞ってバリアフリーを定義づけると、主に建築居住区域内に存在する多数の障壁をなくした住みやすい居住空間の事を指しています。

 

ここで言う障壁とは、主に物理的な障壁です。例えば、玄関の段差だったり、廊下や階段の介助器具の不足だったり、あるいは水回りの転落要素の多数現存だったり、キッチンの使いにくさだったりなどです。これらを解消することで、所謂、弱者に対して優しい仕様の居住空間を提供できるというオプションがつき、それがバリアフリーの付加価値となっているのです。

 

最近はバリアフリーが一般的です

 

近頃では、このバリアフリーが不動産業界でもごく当たり前のように使われており、物件の取引において有効な付加価値となっています。それは、高齢化や障碍者たちが自立する社会環境の変化に伴い、より障壁のない居住空間が強く求められているからです。

 

バリアフリーの歴史を紐解くと、初めは障碍者たちの社会参加の一環として始まった取り組みで、1970年代にこの取り組みが始まる前は、健常者の平均値をもとにした基準での建築物の整備が行われ、居住空間においても同様の基準で整備されていました。日本でのバリアフリーの取り組みは、ほぼ同年代から始められたのですが、この際、福祉というテーマとして扱われたため、障碍者だけでなく高齢者や乳幼児も対象に含まれるようになりました。

 

日本におけるバリアフリーは、現在ハード面に関しては不動産業界も含めて、各企業の自主努力によってかなりの改善が見られています。しかしながら、各企業同士の連携が上手く機能していないことや、バリアフリーの統一基準というものが定められていないために、社会全体におけるバリアフリーへの実現には、なお改善の余地が多数あると言わざるを得ません。